【マイナンバーカードと保険証の一体化】医療機関側のメリット、デメリットとは

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医療系

こんにちは、だいだい(@daidai_cash)です
2020年11月16日に、政府が将来的な健康保険証の発行停止を検討していることが発表されました→マイナンバーカードの保険証利用について

こんな感じになるとのこと↓

もともと2021年3月よりマイナンバーカードを健康保険証として使えるように医療機関に今年10月ごろからカードリーダー等の申請の申し込みがありました。

それに伴い将来的に健康保険証の発行も停止しするという方向性が打ち出されました。
多くの記事やサイトでメリット、デメリットや政府の思惑等が発表されています。

しかし多くの記事が自分たちが提出する側としての切り口なので、提出してもらう側(医療機関側)として考えるメリット、デメリットについて解説したいと思います

ちょっと他とは違う視点で解説してみるよ〜

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医療機関側の考えるメリット

・診療情報の共有(患者が同意すれば)
・保険証の毎月の確認の手間の軽減と返戻の削減
・薬局での情報収集の手間軽減

診療情報の共有

よく紹介状もなく、今までの経過がわからず他の病院でもらっていて、
今度からこちらの病院でもらいたいと言って薬をお願いされる方もいらっしゃいます

しかしどのような診断で何の目的で出されたのか、よくわからないまま、なんとなく継続して出されている薬が結構あったりします

特にクリニックでは専門でない薬だと、今までの薬を減らしたり、変えたりして症状が悪化したら大変💦
結局そのまま出ている事がほとんです

情報が共有されればそのような事も減り、医師が判断しやすくなります。
また救急で運ばれた際も既往歴や診療経過、服用している薬がわかれば、これほど助かる事はないのではと思います。

保険証の毎月の確認の手間の軽減と返戻の削減

これは本当に手間のかかる業務です。
退職や転職、引越し等に伴い保険証が変わる方はよくいらっしゃいます。
公費が変わったりとかもありますね

その際に社会保険の保険証は退職後14日以内返却しなければなりません。
本来会社も回収する義務があるはずなのですが、返却されていない事もあります

しかし有効期限の切れた保険証で受診しても医療機関側はわかりません
社会保険は特に有効期限の記載がないので、もし転職で別の社会保険や国保になっていても把握できないんです。

みなさま有効な正しい保険証の提示をお願いします

そうするとどうなるのか?

月の初めに前月1か月分の診療報酬(レセプト)を請求するのですが、
しばらく(大体2か月後)すると、その方の請求分がお金が振り込まれずに戻ってきます

これがいわゆる返戻と呼ばれているもので、正しい保険証で再申請しないとその方の保険でもらえるはずの金額が振り込まれません

再度申請するのも手間がかかりますし、
現在の正しい保険がわからなければ申請すら出来ません
この業務が面倒で、特に医療機関の規模が大きくなればなるほど、その規模も膨大です。
これは本来入ってくるはずの金額が入ってこないという事なので、経営に影響を及ぼします

これが一括管理でなくなれば医療スタッフの負担軽減にもつながると思います

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薬局での情報収集の手間軽減

私は薬局の薬剤師をしています。
ですのでこのメリットがある意味一番大きく感じます

処方箋を持って来られて

今日はどのような症状でかかられたんですか?

病院で話したわ!何で薬局でそんな事聞かれなきゃいかん!

これちょこちょこあるんですよね💦
薬剤師側としては処方箋には処方された薬の名前と用法しか基本載っていません
(最近血液検査の結果が乗っているところもありますが)

なので患者さんに確認しないと、正しい薬が出ているかどうか判断できないん

・よく似た名前の別の薬が出ていないか?
・症状にあった量や飲み方になっているか?
・症状にあった薬が選択させているか?

実際に私も10年以上働いているので、なんでこんな間違いがって思えるようなものも遭遇しています

それがこの診療情報を共有される事で
正しい診察情報を取得し、薬剤の妥当性について判断出来るのは非常に助かります

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医療機関側の考えるデメリット

・診療情報の共有により、診療情報提供料の減額
・保険証確認のハードル上昇
・個人情報管理のリスク上昇

診療情報の共有により、診療情報提供料の減額

これはいわゆる地元のクリニック等で紹介状を書いてもらい、
他の病院で専門的な検査や診療を続けてもらう場合医療機関が算定できる点数です。
2020年より逆に専門病院からクリニック等に戻る場合についても算定できるようになっています
(詳細については割愛)

つまり患者の状態や治療経過等の情報を紙に記載し、提供することに対する加算なのですが、
マイナンバーで共有出来るなら、もっと手間かからないから安くてもいいよね?って減額される可能性があります

報酬削減はやめてー

特にせっかく来てもらっている患者を他に医療機関に紹介しなければ行けない為、減収につながります。
これがさらに報酬も減額なら、なおの事紹介しづらくなる可能性も

保険証確認のハードル上昇

医療機関では毎月保険証を確認される事が通常となっているので、
まだハードルはそこまで上がらないかもしれません。
(それでも抵抗感のある人は出てくるとは思いますが)

いわゆる薬局ではかなりのハードルの上昇が見込まれます。
薬局と病院は原則別の法人です(一緒のものと思っていらっしゃる方もいらっしゃいますが、
法律で経営の一体化は認められていません。完全別法人です)

現状でも

病院で保険証を見せたのに、なんで薬局でも出さなきゃ行けないんだ!

って文句をよく言われます
別の医療機関で、かつ確認の努力義務のあるのでご協力いただけると助かるのですが

これがマイナンバーもプラスされ、診療情報も乗ってくるとなれば、さらに拒否されるケースが多くなりそうです

この辺りは法律で提示のない場合の保険の使用不可とかにしてもらえると助かるのですが•••
(現状薬局では処方箋に乗ってきているのでそれを信用している形)

個人情報管理のリスク上昇

今までも個人情報の管理に対して様々な対応が取られてきたのですが、
さらに管理の手間や厳重さが求められるようになると思われます。

万が一診療データが入ったパソコンが紛失したとか、
職員がどこかに漏らした等なったら大変な損害です

基本的に番号は一度与えられたら変更がないので、
意図的な流失等があった際の賠償額はかなりの金額になりそう

医療機関の損害賠償保険の額も跳ね上がりそうですね

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私自身の考え

様々なメリット、デメリットを考えてましたが、私自身は賛成派で考えています

もちろん今あげた以外にもデメリットはあるとは思いますが、
トータルでメリットの恩恵を受けられそうだから

診療情報でどんな診断だったのかがわかるのは助かる

損害賠償関係も究極的には雇われなので、そこまで気にする必要ないですしね。
これが独立開業していたり、経営者の立場ならまた変わるかも

制度が始まってらまた様々な問題は出てくるのは仕方ないでしょう
少しずつ改変し、よりより制度になればと願っています

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