【利便性が大幅向上】知っておくべき麻薬の譲渡制限の変更について【令和4年4月1日より】

スポンサーリンク
医療系

2021年7月5日に厚労省より1つの通達が出されました

それがこちら→薬生発 0705 第2号

「麻薬及び向精神薬取締法施行規則の一部を改正する省令の制定について」

相変わらず役所関係の文章はわかりにくい💦
一体何がどう変わったんだ💦

こうなるのは仕方のないことです

私も正直もうちょっとわかりやすい言葉で書いてくれたらいいのにと多々思います

この記事では何がどう変わったのか?

この改定によりどういう点で利用しやすくなったのかを解説していきます

施行(改正が開始される事)は令和4年4月1日からですが、今のうちに抑えておきましょう

スポンサーリンク

現在の麻薬の取り扱い

まず現時点で適応されている麻薬の取り扱いについて確認していきましょう

ご存知の通り麻薬の取り扱いは厳しく規制されています

購入、使用、破棄それぞれに対して専用の書類が必要となってきます

大原則として麻薬は

⭕️ 
医薬品卸(麻薬卸売業者)➡️
薬局(麻薬小売業者)

この間でしか、譲渡譲受する事が出来ません(処方箋調剤による患者への小売は除く)

❌ 
薬局(麻薬小売業者)➡️
薬局(麻薬小売業者)

というものは認められていませんでした

しかし平成19年に出された平成19年厚生労働省令第106号で条件付きで薬局間の譲渡譲受も一部認めら得ました

背景には在宅医療の推進により在宅での麻薬の必要性が増加した事

それにより特に土日や祝日や夜間などに、緊急で麻薬が必要な際に用意する事が出来ないという現状がありました

もちろん医薬品の提供施設としての役割を求められる薬局には、自店舗で在庫をしておく事が望ましいです

しかし麻薬は返品、譲渡が不可な為、在庫金額にも多大な影響を及ぼし、予めあらゆる種類を用意しておくというのが非常に大変な薬剤です

そこで省令の一部を改正して、薬局間での麻薬の譲渡譲受を認める省令を出しました

条件としては

①処方箋記載の不足分に限り可能
②予め麻薬小売業者間譲渡許可を申請した薬局間のみ
③共同申請するのは同一都道府県内に限る

つまり基本はダメだけど、どうしてもの場合は届出あったらあげたり、もらったりしてもいいよというものです

私の働いている所がチェーン系で勤務している店舗がクリニックの門前である事ためか実際に申請したり、利用したりする事はありませんでした

大病院の前や個人薬局同士ではやっている所も結構あるかもしれません

スポンサーリンク

今回の改正点

では今回の改正点と関連事項について学んでいきましょう

改正の内容

上の記事で基本を知ってもらった所で今回のメインの改正点に述べていきます

今回の大きな変更点は購入した麻薬を他の薬局に譲渡出来るようになった事

それって今までも出来ていたんじゃないの?

その通りで先ほど述べたように不足してしまっている分だけに関しては条件付きで可能でした

しかし今回の改定では卸から購入後90日以上経過した麻薬を譲渡出来るようになったのです

この違いはかなり大きいです

一度購入し、残った麻薬に関しては、ほぼ廃棄するしかありませんでした

それが他の薬局にデッドストックとして譲渡する事が出来るようになったのはかなり大きいです

元々、個人では元々デッドストックに悩まされ気味ですが、その負担を軽減をしてくれます

もちろんチェーンでも、各店に散らばっていた在庫を使用実績のある所に集めて使用出来るのでかなりメリットあり!

正直薬局業界にはかなりありがたい通知となっています

もちろん条件として譲渡を行うには予め、同一都道府県内で申請を出しておく必要性はあります

スポンサーリンク

関連事項

今回の改正に関連して注目すべきポイントが2つあります

①取引の制限について
②各種団体の動き

取引の制限について

今回の改正で注目すべきポイントとして、注目すべき文言があります

それは「麻薬卸売業者から譲り受けた麻薬であって、その譲受けの日から90 日を経過したもの

つまり卸から購入した一次麻薬のみ

他の薬局から譲渡した麻薬については対象外となっている点です

図にするとこんな感じ↓

⭕️
医薬品卸(麻薬卸売業者)➡️
薬局(麻薬小売業者)➡️
薬局(麻薬小売業者)


医薬品卸(麻薬卸売業者)➡️
薬局(麻薬小売業者)➡️ 
薬局(麻薬小売業者)➡️
薬局(麻薬小売業者)

これは私の私見ですが、デッドストック業者を挟んだ流通を制限したいのではないか?と考えています

ハーボニーの偽物流通事件で厚労省はかなりお怒りでした

厳密な管理が必要な麻薬で今回の改定はかなり踏み込んでいます

そこである程度の制限をもたしたのではないでしょうか?

スポンサーリンク

各種団体の動き

令和4年の4月からという事でまだ大きな動きは見受けられません

しかし4月からの開始に合わせてチェーン薬局では、必ず共同の譲渡許可を出してくると思います

個人では相手を探すのが難しいので、間を取り持つとしてたら薬剤師会しかないと思います

もしここで薬剤師会が何もしなければかなりの批判を浴びるでしょう

報酬改定に大きな力を発揮出来ていない薬剤師会

毎回辛い立場になる中で、各薬局も会費を払う意味を見出せなくなってしまったらおしまいです

この辺りは頑張って動いてもらいたいと思います

まとめ

それでは今回のまとめです

令和4年4月1日より麻薬の譲渡譲受の制限が下記のように緩和されます

前提条件としては

・同一都道府県内
・事前に共同の申請許可を出している薬局同士

①処方箋応需時に不足が発生

➡️不足分している分に限って他の薬局からの譲受が可能

②卸からの購入して90日以上経過した麻薬

90日以上経過した分は他の薬局への譲渡が可能に

卸から購入後90日を境に取り扱いが変わるので要注意です

今後様々な動きが出てくると思いますが、

知らずにやってしまった!

という事がないようにきちんと内容を把握しておきましょう

そして一番重要な事は何度も伝えますが、令和4年4月1日から施行という事

現時点では90日以上経過した麻薬の譲渡は出来ませんので要注意を!

当ブログでは医療に関する情報も様々発揮しています

参考になれば幸いです

薬剤師として1冊は持っておくべき書籍はこちら↓

にほんブログ村 投資ブログへ
にほんブログ村
スポンサーリンク

医療系
daidaiをフォローする
薬局薬剤師の本業×副業×投資

コメント